化粧品ブランド 百貨店常設什器製作
残暑が厳しいなと思っていたら急に寒くなりましたね。
突然季節が変わった感じで衣替えが追い付かない今日この頃。
今回はまだ暑い8月にお納めしたご案件の記事となります。
都内百貨店内、フロアリニューアルに伴う |
このメーカー様の什器は、空港や国内イベント向けの物は
元請けさんを介してこれまでに様々な仕様で何度も製作させていただいた事があるのですが、
常設店舗向けに関しましてはこのメーカーさんでは今回がはじめてとなります。
今回まず感じた事は『POP UPと違い納期がたっぷりあるなぁ・・有難い』です(笑)
この施主様の什器は、イベント向けだからと言ってシンプルで簡易的なものは少なく
デザインが毎回凝っていて、異素材をふんだんにコッテリ盛り込んだ仕様の場合が多い為、
異素材が複合すればするほどそれぞれの素材で納期がそれぞれにかかりアッセンブリーの時間も要するので
毎度限られた納期の中でヒーヒー言いながらこなす感じだったのですが、
百貨店常設ともなると施主様と元請けさんの間でも製作期間がしっかり担保できるよう
かなり前から動いておられるのですよね。
製作面では納期をしっかりみていただく事は非常に有難く、 |
さて、今回製作させていただいた什器で特筆する点は本体が全て塗装仕上げという点です。
化粧板仕上げよりも上質感が出ると同時に納期もかかるという事になります。
ご指定の塗装色はブランドカラーである赤と白の単色2色。
ウレタン塗装*鏡面磨き仕上げです。
図面の色番号表記とマスターサンプルで色や艶の指示をいただくのですが、 色番号ありきで調色し色番号通りの色味を出せても |
本件に関わらず、ご指定色の調色や色合わせというのは常にやっている事ではありますが、
調色段階もそうですし、塗る段階の希釈率や硬化剤のタイプなどでも
発色に若干の違いが出る事もあるので塗料メーカーと塗装業者との連携もある程度必要な為、
わりと塗装サイドに主体を預ける事があるのが実情です。
ですが今回は弊社が主体となり、塗料メーカーさんと塗装業者さんにご協力をいただきながら
マスターサンプルとの計測上の誤差がほぼなしのところまでもっていき再現性の高い物が出来ました。
実際はそこまでものすごーく厳密なところまで突き詰めなくても
色見本の比率通り調色して、明らかに違うという場合でなければOKというケースがほとんどですが
今回は調色 → 試し塗り → 微調整を繰り返しわずかな誤差まで寄せるケースでございました。
次に、塗装の仕上げですが本体のほとんどの部分は鏡面仕上げとなります。
鏡面仕上げ、読んで字のごとく面に鏡のように反射する仕上げです。
よく全艶仕上げと鏡面仕上げの認識が違う図面指示をおみかけします。
図面には鏡面仕上げと書いてあるけど実際に指示見本をお借りすると全艶だったり、逆も然り。
艶MAXの仕上げの認識を想定されているのは分かるのですが、 全艶仕上げというのは、塗膜自体の光沢で反射するので 一方、鏡面仕上げというのはツヤツヤに仕上げた塗面を磨く事により 遠目でみたら同じようにツヤツヤして見えますが |
その辺のご認識や言い方が、人によって割と違うので
上記にも述べましたが図面表記で全艶仕上げ、鏡面仕上げ、ピアノ塗装など
色んな表記をおみかけするのですが、
文字表記だけではそもそもの認識の違いまで想定出来ない為、
必ず現物の指示見本を確認させていただく事はマストでございます。
能書きが長くなりましたが事例のお写真をいくつか少しご紹介させていただきます。
※お写真はオープン後に撮影したものをいただいておりますので商品陳列済みです。
いつも通りブランドや商材などが分かる箇所にはボカシをいれて掲載させていただきます。
什器それぞれの詳細というよりは、全体の雰囲気と上質感がお写真で伝われば幸いです。
上記でも述べましたように、本体の仕上げはウレタン塗装鏡面仕上げ、天板は人工大理石です。
什器だけでなくところどころに映っておりますフレームの内側が光る |
あとはこちらにピックアップしたような、商品を展示してカバーするためのクリアなケースですが
アクリルでは頻繁に製作してきておりますが、今回はガラスで製作しております。
一見、特に変哲のない5面体のガラスケースなのですが、
面と面が3方合わさる角の小口は3方トメになっています。
2方のトメは普通によくありますが3方トメの図面指示は今ではあまりみかけなくなりました。
こんな事言ったらアレですが、素人さんは全く気にしないところですし、
見て分かる人がどれぐらいいるのかというレベルです。
そういう収まりの細かいところにも各所こだわりが感じられる本件のスペックでございました。
製作奮闘記と致しましては、
図面や塗料・塗装サンプルの承認までの準備からはじまり、
そこから実施における製作図を起こしそこからの素材ごとに分解し発注
こういうお仕事はまず各素材で並行し製作して仕上がってきてからが本番みたいなところがあり、
全ての取り合いを把握する物が指揮を執り微調整を含めて精度よくアッセンブリーをする事で完成度を高めます。
これまで異素材複合什器を様々製作してきて色々なやり方をしてきましたが、
行きついた今のやり方が一番ベストだと思っております。
やり方、布陣で製品の全体の完成度が変わる事を長年体感してきて思う事でございます。
倉庫・作業スペース・金物やアクリル、出力等の加工が出来る自社工場を構えた事で
パワーアップ出来た事も大きいです。
ですがまだまだ最終進化ではなく、いただいた仕事をこなす上で お客様の期待に応える為に試行錯誤する事で成長させていただいているので |
本件、もちろんノーミス・ノンクレームで収まりご依頼いただいたお客様にも
ご満足いただけて何よりでございました☆
【特注什器 造作家具製作専門 株式会社STプラネット】
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