ショールーム用*カウンター製作施工
某自動車ショールーム用のカウンターと収納棚の製作施工を元請け様よりご依頼頂きました。
カウンターは柱を挟んでのL型。
L型の長手は約6メーター(3分割)、短手が約3メーター(一体)の、合計4パーツからなる長いカウンターです。
トップの天板は柱で縁が切れますが、内側のデスク天板は、L型の入隅部分を斜めカットで合わせております。
什器と絡む柱の2辺の実測寸法はまっすぐではなく多少の傾きもある模様。。
什器の製作段階で現場の仕上がり寸法が分かっていればそれに合わせてあらかじめ工場で調整していけるのですが、什器の製作がスタートするのはまだ内装工事にかかる前だったり最中だったりしますし、内装工事はなかなか予定通りには仕上がってこないのが常ですのである程度想定の上で、現場なりで調整する準備が必要になってきます。
入隅みを現場で斜めカットで合わせるのは職人のスキルも要しますので、施工の布陣も想定しておく必要があったりします。
それにしてもこの造作柱、結構曲がっておりました(汗)
什器を設置する際も、柱のレベルに合わせようとすると床のフローリングのラインと合わず、長い什器なので起点で少しズレると終点でかなりズレてしまいますのでここはフローリングの目に合わせます。
そうしますと写真のように柱と什器の間に均一でない隙間が生じます。ここは最後にシーリングです。
さて、このカウンターですが、正面側を引きの写真でみますと、トップの天板から腰にかけてが、ぱっと見ると人工大理石のシームレス仕上げのようにもみえますが化粧板仕上げです。前垂れが150mmついたポストフォーム天板と、腰パネルを若干のチリ処理で合わせています。
アップでみるとこのようにジョイントラインが入っております。
ここはほぼ同面で合わさっているイメージで意匠は書かれております。
木工の公差を考慮すると、わずかなチリを長手のジョイントライン全て均一に保つのは、物理的には正直申しますと至難の業です。長い距離ですのでポストフォームの反りも関係しコンマ何ミリ単位でこのチリがあばれます。。
少しでも均一でない部分は影の出方が変わるのです。
この前垂れのポストフォームは、化粧室の洗面台などで使われるタイプのものですが、この様な使い方をされている意匠は見た事がなかったですし、恐らく稀でしょう。ポストフォームを加工している化粧板メーカーさんすらも未知の事例だったようです。
とはいえ、このチリのあばれはなんとかしなければという事で腰パネルの交換を致しました!チリをもう少しとらせてもらう事であばれをなくし影の出方も均一に!
ちなみに、ポストフォームは加工品ですので製品公差の範囲はメーカーさんもうたっておりますが公差の範囲の反りは不良品ではないそうです。メーカーさんは言い切れていいなぁ。。ですが、それが木工製品なんですよね。
もう1アイテムは大きな収納棚です。変哲のない什器ですが有効がある中に納めますので調整部材を持ち込んで現場にて造り付けています。現場は入口も広く天高もあるので本体は分割せず1体製作で納入しております。
本件は、なんといってもカウンター。
攻めたスペックの上、意匠の具現化にシビアなご依頼元様でございましたが、改めて学ぶ事も多かったです。
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